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お仕事の話、おいしいものの話、一人用超手抜きレシピなどUPしてます。
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    オカンとワタシとときどき・・・~京都旅行記④~

    リウマチの母を連れてやはり京都の繁華街を闊歩することはできず、

    南禅寺から京都駅まで戻って、

    母の希望する念珠入れを買うことに。

     

    京都旅行記最終章です。

     

     

     

    「あの時は錦市場をね、ずっと歩いたんよ。まだ病気になる前はね、歩けたんよね」

     

    数年前に社内旅行で京都に行ったときのことを母は語った。

    その場所まで随分近くに来たというのに、もうあの長い市場の道は、

    歩けないと言う。

     

    ということは、母にとってあの数年前が、最後の錦市場遊びになったということだ。

     

     

     

    なかなか上品な念珠入れが買えて、ほくほくの母。

    さらに付き合って、お土産を買いに地下付近を回る。

     

    なにも京都で買うこともないのに、

    最近母がはまっている551蓬莱の肉まんとお惣菜を京都で買った。

    京都のお土産を買って、重くなったところ、(もちろん荷物持ちは私。)

    大阪へ移動。

    大阪梅田の『美舟』というお好み焼き屋さんへ。

     

     

    以前このブログでも紹介したことがある、あの焼きそばを食べに。

    私が日本一おいしいと思っている、あの焼きそばを食べに行こう、というのが、

    この旅行の最初の目的でもあった。

     

     

    正直、私自身かなり疲れていた。

    思うように体が動かない母はもっと疲れているかもしれない。

     

    「大阪行くん、やめようか?」

     

    電車に乗って10分くらい、

    通路を挟んで座った向こう側に

    声をかけると、母が言った。

     

     

    「でも、行きたいんやろ?」

     

     

    私はいつでも大阪に行けるし、

    いつでも今から行こうとしているお店にも行ける。

     

    でも、あの味を母に食べさせたいと思った。

     

     

    なんとなく、

     

     

    もう

     

     

    こうやって、

     

    母とあの店に行くことはできないんじゃないかと

     

     

    そんな予感がしていたから。

     

     

    「うん、行きたい」

     

     

    あまり無理をさせたくはなかったけど、

    意外と私より元気な母が

    カラ元気でないように祈りながら、

    そう答えた。

     

     

    大阪に着いて、

    いつものようにいろんな話をしながら

    私と母はお店へ歩いた。

     

     

    そして私がいつも行く『美舟』で、

    ヤキソバを食べた。

     

     

    普段母は意地っ張りで、素直でない。

    たとえばおいしいお菓子があるとして、

    私がおいしいよと紹介すると、

    まず「本当だ、おいしい」ということは、

    たとえどんなにおいしくても言わない。

     

    口げんかでも絶対負けない。

    というより、負けを認めない。

     

    気に入らないことがあると、

    「じゃあ、お母さんももうご飯も作らないし洗濯物もしない」

    と言う。(家事の話をしているのでなくても。)

    そして本当に何もしなくなる。

     

     

    「3000円のお豆腐より、こっちの方がよっぽどいいわ」

     

    そんな母がそう言ったのだから、

    かなりおいしかったのだろう。

     

     

    2階にある

    阪神の選手のサインと

    芸人さんのサインを見ながら、

    私たちは窓際の席でおいしい焼きそばを食べた。

    そして、弟と父にお土産の焼きそばとお好み焼きを買って、

    その店を出た。

     

     

     

    暗くなった路を、大阪駅へ向かって歩く。

    「ちょっと駅まで距離あるけどなぁ」と言うと、母は

    「そんなに歩いてないやん」と言った。

     

     

    母と久々に旅行をしてみて、

     

    改めて、家を出ることを迷うようになった。

     

    元々、もうすぐ定年の父と病気の母と、手のかかる犬を置いて

    家を出るにはかなり抵抗はあった。

     

     

    でもこの旅行で、

    改めて本気でこのまま母を置いて行けないのではないかと思った。

     

     

    私が実家にいることで

    何か手助け出来ているかどうかと考えると

    別に何も思い浮かばないが、

     

    家を出るという私を止めないからこそ余計に、

    本当にそれに甘えていいのか迷う。

     

     

    母と京都を歩きながら、

    この人を置いて去る自分が、罪人のように思えて仕方なかった。

     

    自分のことだけ考えて、

    自分の夢のためだけに生きようとする私を、

    叱らない母を

    私は置いて行こうとしている。

     

     

     

     

     

    最近

    『東京タワー』がドラマ化して、映画化して、

    ブームらしい。

     

    私は

    あのストーリーを読んで単純に泣けるのではなく、

    完全に自分と重なる気がして、

    もうどうしようもなくつらくなるのだ。

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    無題
     思う気持ちは分かるな。
    <br> 変な同情ではなく、障害者と生活しているから。
    <br> 見守ることしかできないのだが、千千に物が思えてきて、心苦しくなったりする。
    <br> でも、家庭での明るい雰囲気は保っていけるようにバカをしています。
    無題
    さし美さん
    <br>いい親孝行が出来ましたね・・・
    <br>私の母も5年位前に大腿骨を骨折
    <br>してから、思うように歩けなくなり
    <br>年に1回旅行に行っていますが、
    <br>あきらかに行動範囲が狭くなっていて
    <br>少し歩くと疲れてしまうような状態です。
    <br>でも親は子供のことを常に思っている
    <br>ものですよ・・・私の母も私の世話には
    <br>なろうとしません・・・?
    <br>子供はいつまでたっても子供だって言って
    <br>頑張っています。
    <br>私も子供を持ってなんとなくそれがわかるような気がしています・・・?
    無題
    >>1
    <br>ふじたこ河童さん
    <br>共感、といいますか、
    <br>気持ちを汲み取ってくださって
    <br>ありがとうございます。
    <br>バカをするっていいですね。
    <br>大事なことなんだろうなと思います。
    <br>障害者の方とご一緒なんですね。
    <br>明るい雰囲気でいられるようにする努力、
    <br>どんな家庭でも必要なことだと思います。
    <br>きっと素敵な方とご一緒なんでしょうね。
    <br>
    無題
    >>2
    <br>リーマンヒロさん
    <br>「いつまでも子どもだと思わないで!」と反発していた頃は過ぎました。
    <br>親にとって子どもはやっぱり子どもなんだと思います。
    <br>守らなければならないもの。
    <br>私の親も、子どもの世話になろうとはしていないこと、わかります。
    <br>それに甘えるべきが親の本望であり、私のすべきことなのかもしれません。
    <br>ただ、そこで「本当に?」と立ち止まってしまうのも事実。
    <br>どうすれば「bast」な状態になるのか。
    <br>悩みます。
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