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無音の中に流れる、
黒地に白い、
無機質な文字たち。
冷え切った会場にまばらに座る客は皆、
身動きが取れない。
ただ一つの感情のみ残されて
視力だけを回復されたその死体が、
閉じない瞼の向こうから
じっとレンズ越しにこちらを見つめている。
「蛇に睨まれた蛙」
その経験を、
ここ、baseよしもとで
体感するとは。
ゴウン・・・・ゴウン・・・・・
と、
低く鈍く、
会場に木霊する空調の音。
無音のテロップを見つめる私たちに聞えるのは
それのみ。
そして時折、
本当に時折、
フィルムの向こうから、
少女の笑い声・・・・・。
板尾創路監督作品の短編映画
『14階段』
エンディングを迎えた会場は、そんな様子だった。
怖い、
怖すぎる、
怖すぎるよ
『14階段』!!!!!!!!!!
イヤーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
前編モノトーンであるこの映画、
吉本ディレクターズ100企画の、
板尾創路さん監督作品です。
脚本は、
あのコメディ界のカリスマ舞台脚本家、
後藤ひろひとさん。
後藤ひろひとさんが大好きな私、
そして板尾さんの創る新喜劇が大好きな私、
水玉のケンさんも出てるなんて、
なんて最高なのっ!
なんてテンションでね、
当日券の列に並んでbaseまで観に行ったんですけども。
(あ、
以降記事はネタばれありですんで、
ご注意を。)
オープニングから
凍りついてしまった。
使われているBGMが怖すぎる。
オープニングフィルムが
えぐい。
そ・・・・
そりゃそうか・・・・
剥製屋だし・・・・・????(汗)
なんせ、
全編、
「死体の前での」密室舞台なんだし・・・??
ケンさんの役の存在が、
なんか唯一の救いだったっていうかさぁ・・・(泣)
ここは笑いどころ、
きっと笑いどころなんだろってとこもあったけれど、
ネタ(シーン)がシュールすぎて、
客は一切笑っていなかった。
面白くないというのではなく、
固まってしまって笑えないのだ。
私は、
この雰囲気でこの話題かよ、
そこ引っ張るかよって部分がおかしくて
ふきだしたところも何度かあったんだけど、
なんか雰囲気的に
笑えないっていうか。
凍りつく客席がね、
なんとも言えない。
普段笑い声で溢れているはずの
baseの客席がね、
なんて雰囲気なんだと。
「少女の頭を
何度もコンクリートの壁にぶつけてなぁ!!
何度も何度も何度も!!!!
もう形なんてぐちゃぐちゃで、中身も飛び出してたんだよ!!」
そういいながら宮迫さん扮する政府高官は、
ちょうど少女の頭くらいのサイズのボンドの容器を
ガンガンガンガン壁にぶつけて
破れて飛び出たトロリとしたボンドが、
ゆっくりと机を伝って
ボタボタと地面に落ちる。
そのシーンを、
間をあけて二度、映像にした
そんな演出。
白黒の映画だからこその
リアリティが怖かった。
笑って震えるホラーが得意な
後藤さんならではの演出。
いや、
板尾さん発案か・・・・・??
血のりなんかで死体を彩るよりも、
よっぽど恐怖が募った。
すごすぎる。
ラストカットの
死体の、
見開かれた目、
あれが頭に残って離れない。
無機質だが、
無感情だが、
ただ一つの感情「羞恥」のみの死者。
視力とその感情のみの、
永久無期限な罰。
人でない人は、人として死ねない。
なんて怖い法律だろう。
一級犯罪人は、死刑、ではなく、無期剥製。
しかも、
100年笑われ続けられるポーズで作られた剥製。
そのポーズに関しての演出もすごい、
剥製を引き受けたオヤジの、
包丁を研ぐ音と息遣いで
ゆっくり暗転するシーン、
とにかく
話の運びに
期待以上の驚きがあった。
この映画が、
オムニバス形式で本当によかった。
この後に流れた
博多花丸・大吉さん監督
『上京しない物語』
それがなければ、
私は今日、
家に帰って
眠れないところだった。
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